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ウィーン国立歌劇場バレエ『真夏の夜の夢』 [芸術関係]

更新がご無沙汰という形になってしまい申し訳ないです。
でも、私らしくのんびりと留学生活の日々を綴っていければいいなあと思いますので、
これからも一生懸命書いていきますので宜しくお願いします。

さて、今日から3回は帰国までに観たバレエ作品の感想について書いていきますね。
記憶が薄れぬうちに書いていかないと危ないので…(苦笑)。
私らしい斬新な視点で…!とかっこつけたいところですが、
実際はただのミーハー視点の感想文になると思います。。。お許しあれ~!

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ウィーン国立歌劇場バレエは来シーズンからマニュエル・ルグリが芸術監督になるということで、
多くのバレエファンに知られているバレエ団かもしれませんが、
事前に手に入れた今シーズンのプログラムを眺める限り、
とても素晴らしい作品をたくさん上演しているところだなあというイメージを持ちました。
今日本でも話題になっていると思われるボリス・エイフマンの『アンナ・カレーニナ』も
既にレパートリー入りしているようですしね。他にもこのバレエ団の『くるみ割り人形』も
なかなか評判がいいというようなことを聞いたようなことがあります。
来シーズン中にルグリと共にウィーン国立歌劇場バレエが来日公演をするとのことで、
日本のバレエファンが現在ウィーンのバレエ団に興味を持っているのは確かなことかと思われます。

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そんなバレエ団が私がウィーン滞在中に上演されていたのは『真夏の夜の夢』。
Eloさんというコリオグラファーがウィーン歌劇場バレエのために振付した作品であり、
ウィーンのバレエファンからも気に入れられているのだそうです。(今回の上演は再演です。)

あらすじはシェイクスピアの戯曲そのままでした。
でもタイターニアの大事にしているインドの少年がインドの少女に設定が変更になっていました。
また作品の雰囲気はネオ・クラシックと呼ばれるものに近いような印象を受けました。
Eloさんの振付はノイマイヤーのような雰囲気をもつけれど、彼独特の動きも混じっていたので、
新鮮な気持ちで鑑賞することができました。
彼の振付は…そうですね、微妙なバランスでクラシックとコンテンポラリーが融合されている、
というべきなのかもしれません。クラシックっぽい…コンテっぽい…と思えるところがいくつもありました。
音楽はメンデルスゾーンの素晴らしい作品で構成され、舞台装置はシンプルな現代的なものでした。
衣裳も各身分(妖精や貴族、職人?など)の違いが分かるよう、
ハーミアたちはレオタード、妖精たち(女性のみ)は個性的なクラシックチュチュというふうに、
コリオグラファーのこだわりを感じさせました。髪型もただのシニヨンではありませんでした。
ハーミアとヘレナはシニヨンを高い位置に左右対称に2個、タイターニアはショートカットに見せる?髪型…
また結婚式の場面ではどの人も頭に花を飾って踊っていましたよ。
作品の構成に関しては1幕が物語優先、2幕がバレエならではの華やかさ優先と感じました。
というのも、2幕は結婚式の踊りが大半だったのです。
ですから1幕はスピーディーに物語が進んでいきましたね。(まさしく「あっという間」という言葉がピッタリ!)
でも、観客が物語に追いつかない!というようなことはなく、私たち観客にとってもちょうどいい速さでした。
彼の『真夏の夜の夢』は本当に素晴らしく、「ああ、観られてよかったなあ」と心から思いました。
この作品は凄くいいのでぜひ日本でも上演してほしいですね。

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ダンサーに関しては全く分からないんですよね。
プログラムなどで今日の出演者を確認しても頭にクエスチョンマークが飛びまくり…。
しかもドイツ語のお名前なんて私にはチンプンカンプンだから。。。
ですからダンサーに関してあまり言うことがないんですよね。

1番凄いなあと思ったのはパックさん。
私が観た公演は第2キャストばかりだったようなのですが、パックさんは第1さんだったようです。
しかも、今回私が観たパックさんはポスターの写真にもなっています。
Elo版『真夏の夜の夢』は最後をパックで締めくくるというものになっていて、
それがあるからこそ作品の狂言回しのようにパックのことが思えてきました。
踊りに関してもとても素晴らしかったですね。
以前観た『白鳥の湖』のエイマン扮する道化師を観たときのような衝撃がありました。
(ルグリがミリアム嬢やドロテちゃんと組んで踊った『白鳥の湖』のことです。)
観客も彼に1番大きい拍手を送っていたように私には感じました。

私が好きだなあと思ったのはタイターニアさん。
まずタイターニアさんの衣裳が素敵なのです…私には(笑)。
この『真夏の夜の夢』で1番好きだった衣裳がタイターニアさんが着られていた物でした。
私が観た日のタイターニアは黒髪の大人っぽい女性ダンサーさんだったのですが、
彼女の踊りも素晴らしかったですね。

また「光の精」?のような役としてウィーン国立歌劇場バレエ学校の生徒さん達(女の子達)が
出演していたのですが…彼女達が愛らしくて、愛らしくて!

先ほど「あまりダンサーについて書くことが出来ない」と言いましたが、最後に一言だけ。
主な登場人物を演じていたダンサー達がただ踊れるだけではなく
表現者としても舞台で光り輝いていたのも私にとって印象的な発見でした。
『真夏の夜の夢』は喜劇ですけれども、そういう部分もしっかりと舞台で出せていましたね。
ですから来シーズンからルグリ芸術監督の下でこのカンパニーがどのように進化していくのか、
本当に心から楽しみだなあと思います。

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ではでは…今日はこれぐらいで!

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コメント 8

Roseblanche

私もウィーン国立歌劇場のダンサーについては全く分からないし、
どんな演目を上演しているのかも知らなかったから、
とっても興味深く記事を読みました〜♪
ルグリが芸術監督になったら、もっと日本との繋がりが密になるでしょうね。
今回はメンデルスゾーンの音楽も有名だし、お話も熟知していたのが、また良かったね。
いつか映像でも触れられる機会があったらいいな。
by Roseblanche (2010-05-27 21:37) 

marine

「どんなダンサーがいるんだろう?」というワクワクした気持ちで鑑賞できるのは
なかなかできない体験なのかも~~と思いながら拝見しましたよん。
本当に全く知らないからこその発見が数多くあって本当に観に行ってよかったと思いましたわ。
来シーズン早速ルグリがウィーン国立歌劇場バレエのダンサーを連れて来日するそうだから
ウィーンに「バレエのために行く」という日本のバレエファンが増えるかもしれないね。
また、そんな出会いの作品がよく知る戯曲をバレエ化したものだったのがよかったと思うよ。
マッツ・エックのようなコリオグラファーの独自の世界が広がる舞台だとちょっと大変だったかも^^;
メンデルスゾーンの音楽も素敵でしたわよ~~ん。

by marine (2010-05-27 21:44) 

chelsea

おはようございます。
既にご帰国されていたのですね。
無事のご帰国何よりです、おかえりなさい。^^

ウィーンの真夏〜、面白い構成みたいですね。
どんなダンサーがいるのかも興味があるし、
ルグリが率いて来てくれる日が楽しみです。
by chelsea (2010-05-28 06:56) 

Inatimy

真夏の夜の夢・・・ドイツ語になると、ひとつの単語で済むなんて、便利♪
ポスターの男性、すっごい肉体美ですね~。 どんな展開になるのか、ワクワクしそうな感じ。
by Inatimy (2010-05-30 07:00) 

花はな

こんばんは☆
ウィ-ン・・・海外の劇場はホント素敵ですね。
建物がまず演目のひとつのような素敵さで、そこにいられるだけでも
十分幸せですよね。と、私は思ってしまいます♪
日本にきたら、是非観にいきたいです。

昨日娘と二人、電車に乗って上野の文化会館へ。
そうです!K-バレエの「眠りの森の美女」を観にいってきました。
素敵でゴージャスな舞台でした。
やはり熊川さんはオーラがありますね。
ただ、私的には、王子様より、ロミオやドンキのような作品のほうが、
より素敵さが増す気がします。(ファンの方ごめんなさい)
秋以来の観劇でしたので(その間娘の舞台は多々ありましたが・・・)
素敵な時間を過ごすことができました。

日本でバレエを観に行かれるご予定はありますか?

by 花はな (2010-05-30 19:53) 

marine

りんこうさん、nice!をありがとうございました。

>chelseaさん
5月下旬に帰国していました~~無事戻れてよかったです。

ウィーンの真夏はおもしろいですよ~~ぜひchelseaさんにも観ていただきたいです。
ダンスマガジンの今月号にモノクロ写真が載っていましたけれども、
(海外のバレエ上演カレンダーのようなページで…です)
あのようにクラシックとコンテの中心にあるような作品です。
女性ダンサーは確かタイツを履いていなかったような気がします。
ウィーンのダンサーは本当に魅力的な人たちばかりです。
今度の来日メンバーが気になりますね^^

>Inatimyさん
ドイツ語はさっぱり^^;なんですけれども、
フランス語や英語とは違う言語の面白さを感じました。

このポスターは「パック」ですね~~。
人それぞれ物語の登場人物に関してのイメージは違うと思いますが、
パックだけはどこかしら共通点があるような気がします^^
この作品はきちんとシェイクスピアの戯曲に則っているので、
親近感を感じながらの鑑賞となりました。

>花はなさん
海外の劇場は建設された当時の政治事情もあってか、本当に豪華なものばかりですよね。
ウィーンの劇場も外観だけならたくさん行ったのですが、どこも素敵なものでした。
今度のパリ旅行ではガルニエを思いっきり楽しんでくださいね。
ウィーン国立歌劇場バレエの来日公演はぜひ観ていただきたいです。
他のバレエ団とは違った魅力をもつ素敵なカンパニーだと思いました!

K-Balletの眠り~をご覧になったのですね。
私も何度かK-Balletの公演を拝見しましたが、豪華絢爛の美しい舞台でしたよね。
私も熊川さんは王子様より熱い男性の方がお似合いなんじゃないかなあと思います。
K-Balletで上演されている作品の中ではくるみ~が(私は)1番好きかもしれません。

機会があれば日本でもバレエをたくさん鑑賞したいです。
でも、関東地方に住んでいないので…なかなか観られる舞台が限られるんですよね。
だからテレビ放送にどこか頼っているところもあります。
しかし、バイトで貯めたお金をバレエ鑑賞費に使っていければなあと思っています。
(その前にバイト探しをしなくてはなりませんが^^;)
今のところはまだバレエ鑑賞の予定は立っていないです。
by marine (2010-05-30 21:42) 

Tamiko.

2011.1月のバレエ公演スケジュールはわかりますか?
よろしければ教えていただければ幸いです。
ウイーンに旅する予定で情報をどのようにと考えておりましたら、素敵な
ブログに出会えました。

by Tamiko. (2010-09-29 19:04) 

marine

Tamiko.さん、初めまして。コメントありがとうございます。
もうご存知かもしれませんが、
来年1月のウィーン国立バレエのスケジュールは以下の通りです。
- 『こうもり』(プティ) Die Fledermaus
2010年12月25日~2011年2月20日
- 「Steps and Traces」 (ブベニチェク/エロ/キリアン/ライトフット/レオン)
2011年1月9日~27日
(Dansomanie(日本語版)から転載させていただきました。)
チケット購入方法につきましては、
ttp://www.hi-ho.ne.jp/tadasu/wiener_staatsoper.htm
上記のサイトがオススメです…もしよければご覧下さい。

ウィーン旅行を楽しんでくださいね。
また、当ブログを褒めてくださってありがとうございます。
by marine (2010-11-02 18:11) 

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